高いビルの封じ込めはここからはじまる。そこで、これを現在の都市法の枠内で実現する方法を具体的に提案すればつぎのようになる。第一に、市民は自分たちの地域をどうしたいか市民どうして相談し、これを協定(市民まちづくり協定)にして具体化する。これに全員同意であれば建築基準法の「建築協定」に移行し、六−七割くらいの同意があれば都市計画法の「地区計画」にする。建築協定と地区計画はともに、市民の合意した土地利用規制であるが、建築協定は建物の建ぺい率や容積率などの形態しか規制できない。
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一方、地区計画のほうは形態規制のほかに意匠や路地のコントロールができて、建築協定よりも幅広い法的効力を与えるもので、町づくり、というものにつながる。第二に、自治体に対して、町づくりについて条例を定めるよう運動を起こす。当初、都市計画や建築基準を建設省が完全支配していたころ、自治体は条例を制定することができず、事業者に、いわばお願いをするだけの「指導要綱」にとどまっていた。これだと事業者に拒否されれば建築を止めることができない。しかし地方分権の声が強くなるようになって、自治体は徐々に条例によって放置自転車、風俗、ワンルームマンションなどの規制を行なうようになった。なかでも先に紹介した一九九五年に神奈川県真鶴町が制定した「美の条例」は、美の基準によって、建築をコントロールしようというものであり、画期的なものであった。この「美の条例」は中学校の教科書にも掲載されるようになった。文部科学省の方が国土交通省より進んでいるのかもしれない。とにかく、このような条例を全国に広める必要がある。