浜田醤油は江戸時代から醤油を作っていて、その蔵と工場の建築は明治初期にさかのぼった。その重厚な漆喰の建物の増築には、どんな材料がふさわしいだろうか。同じ漆喰を使うという手もあった。思いきってモダンにふって、ガラス貼りという手もある。しかし、あの南国の、濃厚で香り高い醤油の匂いをかいでいるうちに、増築はどうしても竹でなければならないという気分になった。竹の軽さ、やさしさ、清涼感が、あの醤油の味をさらにひきたてると感じたのである。
[参考]
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今回の竹の建築は、なんとかグァドゥアで作ってみたかった。南米の高原で育ったあの強靭な竹は、南国の醤油と相性もぴったりだと感じたからである。グァドゥアはそのまま構造体としても使える強度があるはずだから、日本の木造建築の技術とグァドゥアとがひとつになれば、日本の木造建築に、新風を持ち込めるかもしれない。なにしろ竹は成長がとても速い。ということは、空中の二酸化炭素を光合成によって自らの体内に固定する力がとても強い。それによって空気中の二酸化炭素を減らし、地球温暖化の抑制に貢献する可能性が高いというわけである。竹を燃やしたり、腐らせたりしたならば、せっかく光合成で固定した二酸化炭素は再び空中に戻ってしまうが、建築材料として長持ちさせれば、二酸化炭素は竹の中に固定されたままである。こんなたくましい材料で、竹造建築が普通に作れたら、地球温暖化の抑制に役立てるのではないかという夢である。日本では長い間、装飾や表層にしか竹を使わなかったが、この強くて環境にやさしい竹を使えば、日本の竹文化を抜本的に変えられるかもしれないと、夢はふくらんだ。