冬だったら、朝起きたとき、季節を楽しむというか、ちょっと肌寒い方が好きである。この感覚は、ヨーロッパ的でアメリカ的ではないともいえる。たよりない冬の日がレースのカーテンから射し込み、クールな空気の中、シルクのガウンなんぞを身に付ける。シャキッと紐を締めてね。それから、冷え冷えとした中をキッチンまで歩く。で、冷蔵庫からさらに涼とした南アフリカのお茶、ルイボスティーを取り出し、グビグビと飲み干す。ああ季節は冬なんだ、僕は四季の中に生きている、とたれこめていたものが、いっぺんに吹き飛ぶのだ。
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こういう朝をもう十年近く迎えている。あるいは仕事を終え、我が家へもどる。ドアを開け玄関から寝室に直行して着替える。この瞬間まで僕は外の勢いをもっているので、玄関先からベッドルームまでは、ひんやりとした冷たい外気温に近くないと、汗ばむことになる。だからこのゾーンは一段低くおさえている。着替えて、リビングの応接セットに座り、ローテーブルに置かれた新聞を広げる。そこは、音楽の邪魔にならない暖かくも穏やかな空気が静かにゆっくりと対流している。そうなればセントラルヒーティング、つまりモーター類を屋外においた暖房装置ということになる。